取扱業務

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はじめに

 以下は当事務所が取り扱っている業務のうち、主なものを、できるだけみなさんにわかりやすく説明したものです。当事務所は、弁護士二人の小さな事務所ですので、取り扱う事件数には限りがありますが、できるだけ幅広く扱っています。当事務所の執務方法もご理解いただけると思います。

 

一般民事事件

 当事務所の取扱件数の約半分は一般民事事件です。一般民事事件と言っても種々取り扱っています。貸金等の債権の回収、商取引や契約上の違反、交通事故など、他人からの不法行為による紛争の多くは損害賠償請求となって現れます。借地借家に関する相談も多いです。京都は戦災がなかったため、古い借地や借家がいまでも生きているからです。

 債権の回収ですが、既に相当程度の交渉を経て相談に来られますので、訴訟督促手続等の法的手段を執ります。このとき、重要なのが債務者の資力です。せっかく判決をとっても、債務者に資力がなく現実の回収が期待できない場合、費用倒れになります。裁判所に金のなる木があるわけではありません。柔軟的に考えるべきです。

 取引や契約上の問題、損害賠償請求においては、資料が重要です。弁護士の仕事の多くは、実は、この請求を基礎づける資料証拠の収集にあります。依頼者と弁護士は、そのための共同作業をしているのです。提訴する前の打ち合わせの段階で、いかに、過去に起こった事実の説明を受け、把握できるかで、事件処理の趨勢は決まります。交通事故はその典型例です。弁護士は法廷で仕事をしているわけではありません。訴訟を起こすときに、勝負はほとんど決まっているのです。すべては準備です。

 京都特有の事件として、賃料等の借地借家関係があります。長期の借地借家関係が終焉を迎える事件が多々あります。このような貸借関係は、経済的な対価関係だけで決まるわけでは決してありません。ただ、依頼者の希望を良く聞きながら、バランスの良い解決を目指しています。

 不動産や建築に関する紛争も多岐です。不動産取引で言いますと、市況が悪いためにデッドロックになり解決の糸口が見つからないもの、建築関係では、請負代金が低額なために起こるものなどです。どういうわけか、土地の境界に間する案件がとぎれなく続きます。境界紛争は現場の検証がすべてです。また、確定の仕方が法定されているわけではなく、客観的な資料も必要です。感情論では負けます。

 

家事事件

① 離婚事件

 まず、離婚すべきかどうかの相談はお受けできません。これは人生相談です。法律事務所は離婚を前提とした法律事務を取り扱うからです。ただ離婚を決心されたなら、同居中でもかまいませんので、事前に予備知識を得るために相談にこられることはお勧めします。かならずプラスになります。

 離婚原因がないと離婚は出来ません。家庭を省みない、暴力、不貞行為のような他人が聞いても解りやすいものは少なく、その多くは、性格の不一致、経済的問題、愛情がなくなった、親とうまくいかないなど、夫婦でないと分かりにくいものです。法律上の「婚姻関係を継続しがたい重大な理由」に該当します。現在の、裁判所の基準は、理由はどうあれ、婚姻関係が破綻し、もはや、回復する可能性はないと判断できれば、特別な場合を除き離婚を認めます。責任論はその次です。

 離婚事件では、未成年の子の親権、離婚に伴う財産分与、養育費、慰謝料等の給付額について、協議が整わないためもめるケースがほとんどです。手続ですが、離婚交渉がうまくいかないときは調停を申立てます。ほとんど調停で解決できます。平均して1年弱でしょう。中には、調停が不調に終わり訴訟に及ぶこともあります。婚姻期間が長いサラリーマンの夫婦では、ローン付きの住宅の行方が争点になります。また、年金分割の請求が出来ないかチェックします。

 不幸の理由にはそれぞれ個性があります。これをいかに第三者に理解してもらえるかがポイントです。

 

② 相続事件

 相続でもめる事件のほとんどは、両親が亡くなり子供達の世代に代ったころおきたものです。子供達の家庭の事情が左右するからです。相続に関する事件の主なものは、遺産分割請求と遺留分請求です。

 私は、相続の案件を数多く取り扱ってきました。つくづく思うのは、次の二点です。なぜ、相続でもめるか?その原因のひとつは、親の代できちんと財産や負債の整理が出来ていないことです。これで、子供が苦労します。親の残した課題を子供や配偶者が引き継いで相続の際に解決しなければならない例、これが多いと思います。次が、長子が親の事業を引き継ぐことと、民法が平等の均等相続を保障していることに、ギャップがあることです。親の残した家で長子が家業をしており、他に分けるべき遺産のない場合には、いろいろ、工夫しなければなりません。今は、他家に嫁いだ娘にも平等の相続権があるのです。

 遺産分割が終わって初めて親の相続をしたと言えます。遺産分割の協議の多くは、相続税の申告を視野に入れたものです。節税のために便宜的な分割をすると、後で禍根を残す場合もありますので、ご注意ください。

 遺産分割の紛争の多くは、相続開始後相当期間が過ぎ、分割をしないと生活が成り立たなくなって顕在化します。この時点での相談が多いのですが、協議が出来ませんので、離婚と同じように家裁に調停の申立をいたします。遺産の分割をどうすべきかについては、いろいろな要素を加味しなければなりません。調停が出来ないときには、審判で決定されます。

 

③ 遺言作成及び執行

 このような、相続の紛争を防ぐためには、遺言を残しておくことが必要です。親の意思を子供に示しておくのです。よくあるのが、子供には良く言い聞かせておいた、文書を残しておいた、父の相続の時に十分してあるから母の相続はいいだろう、といった類です。これらに、法律上の意味はほとんどありません。

 相続の紛争は、あなたがいなくなった後に起こるのです。遺言によって、あなたの遺産の相続の仕方を正確に指定しておくとともに、子孫にあなたの言葉を遺しておくのです。ですから、遺言というのです。

 遺言は、公正証書で作成し、遺言執行者を指定します。私の事務所で遺言を作成された方は長生きされる方が多く、遺言執行の経験はあまりありません。ご不幸になった場合には、必ず、連絡願います。

 

債務整理

 企業(主に地場の中小企業ですが)の再建から、個人の自己破産まで幅広く経験してきました。

① 企業の再生

 最初に事業者の再建ですが、出来るだけ早く相談いただいた方が、どのような再建策を取るのか選択が出来ます。とはいえ、痛くならないと歯科に行かないのと一緒で、ぎりぎりに相談に来られます。私は、可能な限り民事再生や破産などの法的手段は執りません。再建の鍵を握っているのは金融機関です。金融機関は債権カットを意味する法的手段には同意できないのです。まず、金融機関との交渉から始めるべきです。主力銀行の同意がとれれば再建は可能です。過去に、大幅の債権カット、資金導入に成功したこともあります。但し、誠意を持って交渉しなければなりません。交渉を重ねるうちに経営者も事態を理解できるのです。これができないときに、民事再生等の法的手段により債権者から保護し、法律の力を借りてトライします。

 企業の再生で最後にものを言うのは、やっぱり、経営者の信用・人柄です。人に信用される人柄のある人は必ず再建の方法を見いだせます。救われます。

 ② 自己破産

 消費者金融などによるオーバーローンについては、後に述べる引直計算をした後の債務額で、判断し、財産のすべてを充てても弁済することがどうしても不可能なときに申し立てます。債務超過であれば、裁判所は破産を認めます。自己破産することのデメリットはそんなにありませんし、戸籍に記載されるわけでもありません。免責、つまり残りの債務を弁済しなくても良い状態、を得て人生再出発するわけです。考えれば、すばらしいことです。

 ただ、私は慎重にやります。といいますのは、破産は最後の手段だからです。人生観かもしれませんが、破産は人に迷惑をかけることがあるからです。

 ③ 民事再生

 何度も経験しましたが、総体に、良い制度だと思います。簡単に言いますと、破産と異なり、再建計画を立案し(債権者の協力理解が必要です)、裁判所或いは債権者の同意を得て、弁済可能額まで債権額を圧縮し、弁済するものです。

 個人用で言いますと、サラリーマンのように安定した給与所得が期待できる場合には、住宅ローンの特則を使い自宅を救うことが出来ます。私は、個人の場合には、破産せず、出来るだけ民事再生手続を使っています。債権者も納得します。

 事業者で言いますと、債権者の同意が得られるだけの堅い再生案が立案できるかどうかです。申立時に、その準備が整っていなければなりません。とにかく、当面の不渡・取立を回避するだけでは、成功しません。そのためには、情報管理をしっかりして、オーナー、株主、経営者、弁護士だけではなく、会計などの専門家などの智恵もかりて準備のための会議を開き、資源を集め、しっかり立案することです。ここでも、申立時に勝負は決まっています。条件としては、一定額の返済が可能な程度の営業利益があること、つまり営業力があること(利益を生まない事業は精算すべきです)、経営者が腹をくくること、従業員取引先が付いてくることです。

 印象に残っている例で言いますと、1行を除く金融機関債権者の同意を得て、ようやく認可を得たことがありました。認可前に反対銀行が賃料収入を差し押さえたため、再生計画の履行が困難になりましたが、現在は別会社で保有不動産を管理し、安定した経営になっています。困難を乗り越えて成功できたのは、経営者である依頼者の人格にありました。

④ 過払金請求

 過払金請求の事件が急増しています。約定の金利のうち、利息制限法を超える部分は無効であるとの裁判例が確定しました。そこで、今までの返済の履歴を調べ、利息制限法を超える部分は元本に充当して計算し直します。その結果、高利の利息を長期間支払っていますと、計算上、元本がなくなり、払いすぎになっているものがあります。これが過払金です。そこで、この払いすぎた過払金の返還を求めるわけです。このため、自己破産しなくてもすむ例が増えています。

 過払金返還請求は、いわば、払いすぎた自分のお金を取り戻す作業です。ですから、権利性が高く、過払分はきちんと請求すべきです。その意味で京都弁護士会のガイドラインを尊重します。

 ただ、近時、消費者金融側の経営も良くないのか、訴訟をしても、現実に返還されるまでに相当の時間がかかります。依頼者の方には、早期の返還を希望される方もおられます。そのときには、交渉によって妥協してでも、早期の回収に努めています。

 

刑事事件

 国選弁護人ではなく、私選弁護人として受任する刑事事件ですが、本質的に犯罪親和性のある方の事件は取り扱いません。これは、当事務所の方針です。

 これまでに取り扱ってきた事件は、交通事故、贈収賄、或いは経済犯その他ですが、いずれもその人の欠点弱点が犯罪という形で現れたものといえます。複雑化し経済状態の不安定な社会では、平和を保つため法律の不知は許されないのです。

 私が担当してきた事件のほとんどは、逮捕勾留後、まもなく依頼が来た案件です。刑事弁護は、捜査段階から関わらないと成果は出ません。勾留されている20日間が勝負です。スピードが大事です。ですから、対処を早くする必要があります。また、刑事事件は、情報がすべてです。捜査機関の捜査取調と弁護人の弁護活動が平行してできて初めて、公判でも良い結果が出ます。ここでも、法廷が始まるまでに勝負は付いているのです。

 裁判員裁判が導入され、私も裁判員裁判対象事件の弁護人に選任され、活動してきました。連続法廷とその前段階での整理準備手続きが大変ですが、遺漏なく勉強しています。

 

少年事件

 少年事件の場合は、逮捕されてからの手続が成人の刑事事件とは異なります。犯罪捜査の他に、少年のおかれた環境、地域、家庭、学校等の調査をします。特に、両親、学校の協力が必要です。

 私が取り扱ってきた少年時間は、幸い、いずれも両親や学校とコミュニケイションがとれる事件でした。被害者がいる事件では、被害者への慰謝、賠償が不可欠です。

 

労働事件

 労働事件については、会社・雇用者側の代理人になるケースがほとんどですが、解雇された被用者側の代理人も務めています。御承知の通り、派遣法、労働契約法など、労働関係の法制度が急激に変わっています。私の感想ですが、ヘッドハンティグ、契約社員など労働契約の形態が多様化しており、従来の伝統的な労働法の解釈が変化していると思います。裁判所の判断にもそれが現れています。

 会社・雇用者側で言いますと、人を採用するときの条件・待遇を明確にし、雇用契約・就業規則・労働協約などを遺漏なく定めるべきです。その不備をつかれるのです。

 また、出来るだけ解雇すべきではありません。やむなく、解雇するときにも、十分な説明など手続を踏むべきです。人を信頼することと、信用することは違います。この認識が甘いために紛争になるのです。

 被用者側で言いますと、被用者の言い分に一理あるものばかりでした。ただ、労働事件を本格的に争うのにはパワーがいります。見方になってくれる人が多いほど、いい結果が出ています。

 

渉外事件及び外国人事件

 今まで、取り扱ってきたものは、契約締結交渉、契約書の作成、リサーチ、離婚・認知などの家事事件、取立訴訟などです。商取引・契約締結については、見落としのないように、京都の米国弁護士のアドバイスを受けています。家事事件の場合、一方当事者が日本人であれば、ほとんどの場合国内法が使えますので、国内での解決が可能です。

 

法律相談、法律顧問

 今までご説明したのは、紛争が起きてからの処理です。大事なのは、紛争が起きないようにすることです。そのためには、事前の相談をおすすめします。相談だけで解決する場合もありますし、そうでなくとも、解決の道筋、ヒントになります。

 事業者で、継続的に相談事例や案件が発生する場合には、顧問契約をなし、通常の相談事例は顧問料の範囲で行います。当事務所の顧問先は、多くは、京都の地盤産業、中小企業で(業種は様々ですが)、長くおつきあいしている例が多いです。

 

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